植物指標によって大気の汚染度を測定する場合、感受性の高い植物を使う方法と耐性の小さい植物を使う方法があります。
鉢植えにした植物を観察して汚染度を知る場合には感受性の高い植物であるソバやアサガオが使用されます。
野外調査による方法、たとえば樹の幹に生えるコケの有無で、汚染度を測定するときには、コケの汚染耐性が小さい性質を利用していることになります。
少数の例外を除いて植物の栄養条件をよくしてやると感受性が高くなり、耐性も大きくなります。
このことは疑問に思われるかもしれませんが、得られた事実です。
古い実験ですが、鏑木博士がナオムギを用いて栄養条件を変えて育てた場合の煙ばんと、収穫量との関係について実験した結果を例にして説明します。
表をみると、煙ばんは湿った土壌、肥料が多い土壌のほうが乾いた土壌、肥料の少ない土壌より多く現われていることがわかります。
収穫量の点では、湿った土壌、肥料の多い土壌のほうが多いです。
わたしたちが植物を見た場合、被害が大きいと感じるのは、煙ぱんの面積の割合が健全部の面積に対して多い場合です。
・・・ところが、その植物の耐性、つまり、枯れるか枯れないかということは、煙ばんの量でなく健全な部分がどのくらい残っているかということできまるのです。
栄養条件がよくなればたとえ煙ぱんの割合が多くなっても、その損失以上に生長するため、収支計算の結果がよくなるのです。