煙ばんの生じた葉の切片をつくって顕微鏡で観察すると、最初の被害は、柵状組織の細胞に現われています。
被害が大きくなると、海綿状組織の細胞や表皮の細胞に被害が現われます。
被害を受けた細胞は葉緑体がこわれて変色してくると同時に原形質分離を起こします。
原形質分離を起こした細胞はやがて乾燥してちぢんでしまいます。
そのため、葉を外部から見ると、煙ぱんの部分がしだいにしおれて薄くなり、最後には乾いてしまうのです。
サンゴジュのように厚い葉では煙ばんを虫めがねで見ると煙ばん部が凹状になっていることがよくわかります。
ヒュウガミズキのように薄い葉では、煙ばん部からはじまって葉の全体が、乾いて巻いてくるのが見られます。
オゾンの場合、煙ぱんが生じる前に、その部分が表面から見て水を含んだように暗色になり、後に、はっきりしたかっ色の煙ばんになることが多いです。
亜硫酸ガスとの違いは、比較的色の濃い(または白色)、小さな(点状の)煙ばんが多数できることです。
これは、ホウノキやケヤキの葉の写真を見てもらえばよくわかります。
葉の断面で見ると、やはり葉脈と葉脈との間の柵状組織の細胞から被害が生じています。
煙ばんが点状で小さい場合、断面で見てもあまり被害が広がらず、柵状組織だけに見られます。
このことを強調すれば、オゾンの被害は葉の表側だけに見られ、亜硫酸ガスの被害は裏表ともに見られるのが特徴であるといえます。
しかし、どちらも、はじめに棚状組織から被害が生じることに変わりはありません。
オゾンの場合でも広い煙ばんができる植物では葉の裏側にも煙ばんが現われるのです。